失敗しない不動産鑑定士事務所の選び方

 「いい不動産鑑定士の条件」は、あなたが何を求めるかによって大きく変わってきますが、一般的には次のように考えることが出来ると思います。

 

1.不正をせず、正しい評価をしてくれる不動産鑑定士

 

   これは当たり前の条件ですが、ルールを守って誠実に鑑定評価を行う方を選んで
   ください。意外と出来ない方もいらっしゃいます。

 

2.不動産鑑定評価についての実務に精通している不動産鑑定士

 

   不動産鑑定士は不動産鑑定評価に関する専門職業家のため、実務経験が豊富
   なことは最低限必要です。一般鑑定評価・簡易鑑定評価合わせて最低300件以上
   の鑑定評価実務実績がある不動産鑑定士を選ぶことが理想です。

 

3.不動産についての実務を知っている不動産鑑定士

 

   不動産の鑑定評価といえども、扱っているのは不動産です。その不動産が実際に
   どのように扱われ、利用されるのかというのは、実は不動産鑑定評価業務をしてい
   るだけでは経験出来ません。

 

   不動産の鑑定評価業務というのは、ある意味、間接的に不動産を見て、
   机上で評価する作業のため、この現物不動産を扱っているという感覚に
   疎くなる傾向にあります。

 

   しかし、現実には対象不動産がその後どのような使われ方をし、どうなって
   いくのか、ということの方が、依頼者にとっては重要であるにもかかわらず、
   評価をする側の不動産鑑定士が、ワンルームマンションの賃貸契約業務
   もしたことがない、という賃貸・売買等の不動産実務についての経験が全く
   ない、というケースも多いのが実情です。

 

   したがって、不動産鑑定士を選ぶときには、是非とも不動産鑑定評価の
   経験だけではなく、賃貸や売買等の不動産実務の経験も豊富な不動産
   鑑定士を選ぶことが理想的です。

 

4.あなたの資産・財産である不動産についてしっかりと
  考えてくれる不動産鑑定士

 

   上記でもお話し致しましたが、不動産の鑑定評価業務というのは、
   現物不動産を扱っているという感覚が掴みにくい為、どうしても評価額を
   算出して完了、といういわば机上論的な扱いになってしまうケースが多く
   見受けられます。また、評価をする側の不動産鑑定士も賃貸・売買等
   といった不動産実務の経験がない鑑定士が多いのが実情です。

 

   これは、不動産鑑定士になるためには、試験に合格し、不動産鑑定評価の
   実務研修等を受ければ鑑定士になれるためで、賃貸等の不動産実務の
   実務経験は必要無いからなのです。そのため、有る意味不動産実務に乏
   しいにもかかわらず、理論だけには詳しい、という頭でっかちな不動産鑑定士
   が多いのが実情です。

 

   当然不動産実務の経験がほとんど無い不動産鑑定士が依頼者の
   財産・資産である不動産について、しっかりと考えられるとは到底思えません。
   賃料が下がり、入居率も下がったときに、家主さんがどのような思いにさいなま
   れるのか、不動産が人の人生にどれくらい大きな影響力を持っているのか、
   どれほど重要なものなのか、こういったことは、目の前で家主さん等に泣かれ、
   自分たちも涙した経験等が無ければ、不動産を間接的に評価をしているだけ
   では決して理解出来るものではありません。

 

   皆様には是非そのあたりにも注意して、鑑定士選びをしてください。

 

 5 .最後は「お人柄」

 

   最後は「お人柄」。2つの事務所等で迷った場合は、是非電話・メール・
   実際に会う等して、自分との相性が良く、フィーリングの会う人を選んで
   ください。なぜなら、ある程度自分の財産状況等も開示しなくてはいけ
   ないわけですから。

 

 

  以上、不動産鑑定士選びの参考にしていただければ幸いです。